フリーズドライの乾燥工程は、大きく2段階に別れていることは、以前にお話いたしましたが、いわゆる、氷がなくなる第1乾燥工程と、素材分子に結合している(詳しくは水素結合)水分子が飛んでいく第2乾燥工程があります。
もし、フリーズドライ装置に、乾燥対象物の温度(品温)を測るためのプローブがついている機種の場合は、その温度が氷点下から上昇し始めたら、氷がなくなったという事で、第1乾燥工程が間利用した証となります。次は、氷がなくなった時点ではまだ素材がカラッと乾燥していません。これをカラッと乾燥させるためには、ある一定の加温の下、乾燥を続けます。厚みを3cmまでになるように潰した焼き芋を乾燥するケースを例に取ると:
第1乾燥工程の完了直後、やきいもはゴム状の状態です。
第2乾燥工程が完了すると、バキバキの硬い板になります。
第1乾燥工程完了後は、試料棚温度を徐々に40〜50℃くらいまで上げていきます。
例えば棚温度を40℃にして2時間後に品温計の温度を見たときに40℃よりも低いときは、まだ、素材から水分の蒸発が起きているので、その素材は水の蒸発により熱を奪われるため、棚の温度とは一致しません。少し低くなります。
この水分の蒸発が完了すると、試料の温度はそれを載せている棚の温度と同じになります。
今回のお話は棚に温度計が設置してあり、試料温度を計測する温度計がついている場合について述べました。
もし、この両方とも装備していない真空凍結乾燥機の場合ですと、真空計の推移を見る歯科ありません。温度計がついている装置は、その温度を見て、乾燥を知ることができるため、乾燥が終われば電源を切れます。もし、何もついていないなら、乾燥するまで運転してみるしかなく、いつもその条件で行えば、なんの計測器がついていなくてもフリーズドライはできます。真空計がついていれば、気圧が低いところで安定したら、第2乾燥工程の完了が近いこと意味します。真空計が安定してから何時間運転を続けるかで、乾燥時間を決定すると良いと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。