なんか商品の広告的タイトルになってしまいましたが、国内で有名なフラワーアレンジャーが執念で日本初のフリーズドライフラワーを完成させています。『お花を真空凍結乾燥器に入れれば誰でもできるんでしょう?外注で大量生産も』。それは違います。外注では高いクオリティーを出せません。一般的な野菜や果物をフリーズドライ化する温度調整でフリーズドライ化できる花は殆ど無いのではないでしょうか。どうなるかというと、例えばバラの花ならしわしわの乾燥花ができます。薄い花びらの形を維持しつつ乾燥させるには、ある一定の乾燥時間が必要ですし、緩やかな温度変化での乾燥が必須で、乾燥を急ぐと一部が溶け、一瞬で乾燥中に花が萎んでしまいます。
長い時間をかけて、それぞれのお花にベストなフリーズドライの乾燥条件を見出し、ようやくリリースされたドライフラワーの『ゼロフラワー』。多くの種類のお花をここまでのクオリティーにするのには試行錯誤連続。とはいても、何日もかかっているわけではありません。
これまで、フリーズドライフラワーは「アイスフラワー」などの名称で、海外製の商品が国内に入ってきていました。しかしながら、フリーズドライのお花は輸送中の衝撃に弱いことから、つぼみのように形がまとまった花が多かったと思います。その壁を乗り越え、様々なお花を様々な乾燥条件で乾燥させ、国産のフリーズドライフラワーが完成した、そういう印象です。(2023年8月11日現在)
実はこの商品は小型のフリーズドライ装置で製造されています。個人的にとても嬉しいことは、これまでアイスフラワーでは商品化できなかった様々なお花までフリーズドライ化できているところ。同じ装置を持っていても、誰もが同じものを作れない世界。全ては乾燥条件に依存するところがとても面白く、経営者の匠の技と執念で完成させたところに、大和魂を感じます。
私は半世紀もの間、フリーズドライ装置が身近にあったので、お花の乾燥条件の難しさを理解しています。それ故、この『ゼロフラワー』のウェブサイトを始めて見たときに鳥肌が立ちました。おそらくですが、大きなフリーズドライ装置での大量生産は無理だと思います。生産量を増やすには小型機をいくつも並べて製造しないと、乾燥温度管理がなかなか難しいと思っています。
このブログを見て、「私も同じものを作りたい」と考えていらっしゃる方は、製造は決して簡単ではないことを申し添えておきます。だからこそ価値があり、今までアイスフラワーに取って代わるブランドが出てこなかったと思っています。
ゼロフラワーは、きっと近いうちに世界に誇れるブランドとなることでしょう。\(^o^)/