冷却トラップがついていない真空凍結乾燥機用のチャンバーが販売されています。そもそも、真空ポンプだけで、乾燥対象試料が入った部屋(チャンバー)をフリーズドライが可能な1Pa以下にすることは難しく、達成するにはかなり高性能な高価な真空ポンプが必要で、現実的ではありません。普通は真空ポンプを汎用のもので10Paくらいまで下げ、その能力をコールドチャンバーがサポートし、水蒸気圧を下げます。冷却トラップがないチャンバーでは、試料中のなかの氷が乾燥途中でとけたりして、減圧乾燥で作ったような産物ができます。フリーズドライは氷の結晶があったところが空間となるため、食するとサクサクしていますが、途中で溶けると干し芋のような、乾燥が足りないようなねっとりとしたものが出来上がります。
安いからと言って、真空凍結乾燥機用のチャンバーに真空ポンプや棚冷却のための冷却装置を別々に購入し、組み立てた装置では、野菜や果物をその形や色をそのままに乾燥することはかなり難しいでしょう。
こんな事を言う私は当然実験しています。うまくいかなかったです。特に糖度が高い果物は全然だめ。真空凍結乾燥機はコールドチャンバーがあってなんぼの世界です。コールドチャンバーがないものは凍結乾燥機とは読んでほしくない、個人的にそう思います。安いから買ってみたけど、なんかうまくいかないなんて相談が何件もあるのですが、あまりにも悲しいお話をさせていただきました。あなたが購入された装置では無理だと…. ( ;∀;)