試料から水分が蒸発していくと、試料から熱を奪っていきます。試料は真空中で乾燥していくと、どんどん温度が下がっていきます。試料温度が下がると乾燥時間がかかります。
食品乾燥などに使用される凍結乾燥機(フリーズドライ装置)は、凍結状態の試料の中の氷が溶けない程度に棚を加温していきます。−40℃に冷えた試料よりも−10℃にした試料の方が乾燥が早くなります。
このような理由から、棚の加温システムがない研究用真空凍結乾燥機は、乾燥に倍以上の時間がかかってしまいます。量産するには棚加温システムは必須です。棚冷却システムは必須ではありません。冷凍庫で凍結した試料をフリーズドライ装置に入れれば良いからです。