このテーマについては、様々な価格の凍結乾燥機(フリーズドライ装置)が販売されているなか、皆さんよく迷われるようです。高額な機械の方が満足感あるかもしれませんが、決して高額な凍結乾燥機でないときちんとしたものができないということでは決してありません。日本製でないと信用ならないということでもありません。それでは海外直輸入で安い装置を買っても大丈夫でしょうか?
その装置の販売会社が日本国内企業であれば、トラブル時には国内で対処してくれるでしょうから、製造が海外であったとして大丈夫と思います。しかしながら、海外から安い装置を直接買った後には、故障発生時の解決がとても大変と伺います。平気で数ヶ月間運転停止となってしまうことが多いようです。装置は運んだだけでも輸送中の振動で装置内部のネジが緩んだりして、それが電気系のトラブルを誘引したりします。故障の時は海外からパーツのみが送られ、自分で修理する必要があります。そのやりとりに時間がかかるのです。よく聞くのは、試料室の真空漏れ。これはもう大惨事です。冷凍配管をとって溶接しないといけません。日本の企業が販売している場合には、部品なども国内在庫があり、引き取り修理も容易に行えますので、ここが買う時のポイントになります。DIY得意な方は海外直輸入も面白い冒険かもしれません。しかし、フリーズドライ商品が売れてきてからの装置のトラブルは、本当に嫌気がさすと思います(^_^;)。
こんなことになるんだったらー、っと。
しかしこんことで済めば良いですが、海外製品では海外で火災事故が起きています。その補償もまともにしれくれないという話を聞くと、PL保険はどうなってるんだろうと思います。製造メーカーは通常はPL保険に加入しているので、事故が起きても保証はしっかりしていると思います。
凍結乾燥機の命は乾燥時間です。同じ果物でも装置の構造によって乾燥時間が異なります。コールドトラップという、水分を氷として捕捉する箇所は温度が低いほど良い(乾燥が早い)のですが、ー50℃以下を目指すとコンプレッサーが2段必要となり、電気代は約2倍になります。2段の凍結乾燥機はリンクをご覧ください
【コールドトラップの位置が重要】
凍結乾燥機の試料室を広くしようとすると、どうしても氷を捕捉するコールドトラップは試料室とは別のところに設置する必要があります。このように試料室からコールドトラップが遠くなると、水蒸気が移行しにくくなり、乾燥が遅くなります。このため、大型機のコールドトラップは−60〜−80℃にしており、冷凍機は2段の仕様となっています。
一方、試料室そのものがコールドトラップとなっている一体型の凍結乾燥機があります。これは乾燥速度が非常に早いのですが、コールドトラップの大きさは冷凍機の能力で決まるため、広さが限定されます。コールドトラップ内に試料を納める棚を設置するため、試料を入れるスペースが前述の冷凍機2段の凍結乾燥機よりも小さくなります。試料室にコールドトラップを置く方式が最もエネルギー効率は良いと言っても過言ではありません。試料棚は加温しますので、その輻射熱が真空中でコールドトラップに幾分か届きますが、多くの装置では輻射熱の遮蔽板が設置してあります。なんと言っても、コンプレッサーを2段で動かすよりは格段に少ないエネルギーでフリーズドライ加工が可能となります。
私が購入者なら、試料室とコールドトラップ一体型の一番大きな装置を複数台おくかなぁー。部品点数が少ないシンプルな凍結乾燥機(真空凍結乾燥機/フリーズドライ装置)ほど、長年使った時のメンテナンス費用が格段に安いと思われます。複雑な構造をした装置ほど、壊れるリスクも高いということは言うまででもないですよね。我々製造者が目雑のは日本車のクオリティーです😅 うちの日本車は10年間、何も大きなトラブルがありません。すごい!Made in Japan!!