高額な真空凍結乾燥機を買わずにフリーズドライ加工商品を販売したい。これは皆さんの共通の思いと思います。委託乾燥なら事業計画がより簡単になり、そろばんも弾きやすいかと思います。装置を買う場合、多くの方が助成金を使って購入するケースが多く、国や地方自治体からの助成割合も1/2〜2/3と魅力的です。助成金を使うと資金回収もしやすいですね。
ところで、業務委託で真空凍結乾燥する場合、その加工料金の中には装置の減価償却費が入っています。これは真空凍結乾燥機をリースで借りる時も装置の減価償却費が含まれています。それ故に委託加工費はその分高くなります。大きな装置を2日間も占有してしまうからです。基本的に他案件の食材と一緒に乾燥させません。あなた専用に高額な装置を使うのです。
装置を自社で助成金を使って購入する場合でも、自社で減価焼却費を加算して商品価格を決定しまうが、この時の装置価格がそもそも元値の1/2〜2/3なので、減価償却費を加算して商品の販売価格を決定する場合、減価償却にの加算が小さくなります。つまり、装置を助成金を利用して買うと、リースや顔部委託乾燥の場合より商品原価を低く製造ができます。したがって、フリーズドライ商品の利益率が高まり、販売競争力が高まります。
とはいうものの、手もと資金がなかったり、銀行からお金を借りれない場合には、フリーズドライ加工を外部に委託するしか選択肢がありませんよね。
私の個人的な考えとしては、1ヶ月に20kgを外注するくらいなら、装置を購入した方が良いのではないかと考えています。これはあくまで一つの目安です。
でも、ここで重要なポイントは、外部委託では適切な乾燥条件は試験できないということ。乾燥条件については、自社でノウハウを持たない場合、委託先の基本提示条件で乾燥を行うことになろうかと思います。真空凍結乾燥は時間をかけると質が高いものができます。しかし、1つの案件で装置を3〜4日占有すると加工会社の利益も減るし、委託料金も高くなるため、大体2日以内で乾燥を完了できるようにします。したがって、最初は−30℃から乾燥を始めたとしても、一気に45℃位まで乾燥棚の温度をあげるメーカーさんも多くいらっしゃいます。海外でのフリーズドライ加工は大体その方法です。したがって、イチゴなどは途中で一部溶けるため、萎んだ形になります。正確に言うと、それはフリーズドライ加工ではなく減圧乾燥です。きちんと氷が溶けないように丁寧に真空凍結乾燥を行うと、ほぼ元の形のまま乾燥します。大量に早く1日程度で乾燥させる海外製フリーズドライ製品は、それ故に安いのです。
さて、あなたは外注にしますか?それとも装置を買って、色んな製品を自社開発して商品拡大しますか? (^ ^)