真空凍結乾燥は事前冷凍する必要ある?

真空凍結結乾燥機は試料をいれる棚の温度を下げられるものがあり、ある製品では-30℃まで冷却できる製品があります。それなら事前冷凍せずにそのまま装置内の棚に並べて冷凍させてから、フリーズドライにすればと思われるかもしれません。

味噌汁やスープ、葉物野菜は−30℃程度で完全に凍結できるかと思いますが、味噌汁の場合、通常は数倍に濃いものを作ってフリーズドライにします。溶液中に塩や糖分が多い食品では凝固点(氷結する温度)が低くなり、−30℃でも完全に凍らない場合が出てきます。例えばアイスクリームには増粘多糖類が添加してあり、凍っていてもある程度の柔らかさを出しています。これはフリーズドライの立場から言うと完全凍結していません。かちこちになってかじれないほどの硬さになったら、凍結していると言えます。実際に糖度が高い柑橘類を−30℃にして真空凍結乾燥を行うと、装置内部の真空度がなかなか下がらないことがあります。これは一部が凍っていないために、どんどん水蒸気が蒸発していて、沸騰している状態です。凍結乾燥では氷の昇華で乾燥させていきますので、真空中で水分が沸騰状態になると、その水分は装置の冷却トラップに短時間に過剰に付着し、トラップ温度の上昇が起きます。また同時に、真空度が下がらない現象が起きます。トラップでは温度が上昇するため、きちんと水分を捕捉できず、それを逃れた水分が真空ポンプに移行します。オイル回転式ローターリー真空ポンプを使用すると、オイルの中にこの水蒸気がたくさん溶け込み、オイルの劣化が早くなります。こう言う時は積極的に真空ポンプのバラストを開けて、ポンプ内の蒸気圧を下げ、水分が飛んでいく様にしてください。

ところで、糖度が高いフルーツはどの様にしてフリーズドライにしたら良いのでしょうか?

それは、−40〜ー60℃の業務用冷凍庫で完全凍結し、あらかじめ冷却したフリーズドライにセットし、すぐに真空引きすることで、トラブルを回避できます。私の経験では、−60℃にすると真空度は最初から安定します。

冷凍庫に食材を蓄積し、それを少しずつ凍結乾燥する事を、先ずはおすすめします。冷凍庫の温度は−30℃以下であれば、フリーズドライ装置に入れてからすぐに乾燥を開始できます。−15℃の冷凍庫に保管していたものは、フリーズドライ装置内で温度が十分に冷えるまで待つ必要があります。 −15℃で冷凍していたものをすぐに真空凍結すると、真空中で氷が溶けて部分的な沸騰がおきますのでご注意ください。出来上がりにも影響しますし、フリーズドライ装置にも負荷をかけ、装置仕様によっては、真空度が上がらないため、安全装置が働いてしまう場合があります。

冷凍機は別に準備したいところです。

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