魚からいったい何が蒸発してきてるの?捕捉した氷と一緒に油が!

ある日、うなぎを乾燥している方から、機械の油が出てきて庫内が汚れる、といった苦情にも近い話が飛び込んで来ました。捕捉した氷を取り除いた後に、その氷がトラップされる箇所が油で汚れているという連絡でした。乾燥対象食品を入れるチャンバーの周辺が冷却されて氷がトラップされる構造の真空凍結乾燥機。油なんて、真空ポンプから逆流でもしない限り、油汚染は起きません。最近のオイル回転式真空ポンプには逆流防止弁がついていて、真空ポンプ内のオイルがフリーズドライ装置の真空庫内に逆流しないようになっています。

そこでラボで実験をしてみると、なんと、魚の脂の一部が水分と一緒に真空中で飛んで、冷却トラップに吸着されるではないですか?油が真空中で低温で揮発する?そう、魚はハーブ植物で言う精油と同じ程度の沸点を有する油脂成分を持っているのです。一部の油が真空中で魚肉から揮発するのです。この一部が冷却トラップに付着し、庫内が油でベトベトになったのです。

魚君は揮発性のある探査脂肪酸を持っているようなのです。魚の成分分析はしたことないので、ちょっと驚きでした。柑橘類の皮にある香りが良いリモネンも、沸点が低めのオイルで、これも真空中で低温で揮発し、氷と一緒に収穫されます。油成分が飛ぶと、氷を溶かしたときに白濁した水となって排出されます。

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